【はじめに】
ガットはボールと直接コンタクトする部分です。もしガット以外の部分とコンタクトしてしまったら、それは即ち失点に繋がる確率が非常に高いでしょう。ガットを通してインパクトの衝撃が手に伝わり、そこからプレーヤーは多くのことを感じ取るのです。感覚を非常に大切にするスポーツであるテニスにとって、ガットという存在はこの上なく大切なものなのです。
ところで、皆さんのガット張り替えに対するモチベーションはどのようなものでしょうか？例えば・・・・
①ガットが切れたから・・・
②3か月たったら張り替えた方が良いと言われるから・・・
③さすがに1年経ったしなぁ・・・
④ガットのズレが気になってきたから・・・
⑤打球感が悪くなってきたから・・・
⑥スピンがかからなくなってふかすようになってきたから・・・
⑦試合前だから
⑧飛びが悪くなってきたから
⑨調子が悪いから
⑩友達が張り替えるから
いずれもガットを張り替える動機としては正しいのですが、今回は皆さんに新たな価値観をふき込みたいと思います★
【好みやフィーリングの多様性】
そもそも人間１人ひとり好きなものが違うし、求めるモノも違うし、気持ちいいと感じること、こだわっているものが違うわけです。皆と同じが良いということに価値を感じる人もいますし、人と違うオリジナルが良いという人もいます。有名な人と同じにしたいという人もいます。
ファッションや食事やお仕事では皆さんそれぞれの個性を活かされていることだと思います。
テニスにおいても、もっと皆さんの個性を活かしていけば、よりテニスが楽しめるし、上達にもつながるのではないでしょうか。そのきっかけのひとつとなるのがガットを『ハイブリッド』にするという選択です。
【そもそもハイブリッドとは】
ハイブリッドは今では一般的に広く認知された言葉です。一番良く聞くのは、車関係においてですね。ハイブリッドにすると燃費がいいとか、音が静かだとか、地球環境に優しいとか・・・・
まずはそんな”ハイブリッド”の意味を確認しておきましょう。
Hybrid・・・［名］混血、雑種、混成物、混種語
犬に関しては言えば昔は混血したら”雑種”といって価値の無くなってしまうものでしたが、今は”Hybrid” や “mix” などと呼ばれて、純血種と変わらない値段がつけられ、ペットショップでディスプレイされています。”混ぜ合わせられていること”、1″つしかないオリジナル”というものに価値が見出された結果でしょう。僕もHybrid の犬を飼っていました。ビーグルという犬種とHybrid のかけ合わせです。かわいかったなぁ～～。
それはさておき、テニスにおける『ハイブリッド』とは、『縦ガットと横ガットに異なるガットを張ること』を指します。これが広まってきた背景としては、『ポリエステルガット』の登場によって、トッププロ選手達の間でポリエステル × ナチュラルもしくはナイロン という組み合わせが選択されるようになってきたからだと思います。
【ハイブリッドの利点とは】
次はハイブリッドの利点について考えていきましょう。たくさんあると思うのですが、主なものを挙げてみたいと思います。
①組み合わせが無限大でガットを選ぶ楽しさが広がる。
②自分だけのオリジナルなセッティングができる。
③プロ選手のセッティングを再現することができる。
④ガットの弱点を補ったり、良さを伸ばしたりすることができる。
⑤打球感や反発力、スピン性能などの細かな調節ができる。
【ハイブリッドの例】
それではハイブリッドのセッティングを4点ご紹介し、それぞれにどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
メイン（縦）：Babolat RPMブラスト
クロス（横）：LUXILON 4G
コメント：非常にスピン性能の高いRPMブラストとツルツルした感触の4Gを組み合わせてより“スナップバック”を効かせてスピン性能を強調。またRPMブラストのみよりも打球感が柔らかくなっています。
メイン（縦）：Wilson ナチュラルガット
クロス（横）：Luxilon アルパワーラフ
コメント：ロジャーフェデラー選手のセッティングを完全に再現。Wilson ナチュラルの物凄い反発力と至高の打球感、アルパワーラフの素晴らしいスピン性能とハードヒットした時のコントロール性能が合わさっています。
メイン（縦）：YONEX ポリツアープロ
クロス（横）：Babolat パワジー
コメント：大坂なおみ選手が使用していて、学生さんに大人気なYONEXポリツアープロ、ポリとしては柔らかめの打球感と十分なスピン性能を誇ります。それに柔らかくて反発力の高いBabolat パワジーを組み合わせて、より打球感はマイルドで、高反発かつ高スピンを実現しました。
