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壁打ち練習の極意

【はじめに】
皆さんはテニスの練習で「壁打ち」をしたことがあるでしょうか。壁打ちができる施設はそれほど多くありませんので、やったことがないという方もいらっしゃると思います。壁打ちは大体において無料で利用できますので、お住いの近隣にあれば利用する価値があるでしょう。
一人で練習出来てお金もかからない便利な練習方法である壁打ちですが、使い方を間違えると上達しないどころか下手になってしまうので、この記事をよく読んで上手く壁打ちを利用して効率よく上達しましょう!
【やってはいけない練習方法】
効率の良い練習方法を紹介する前にまずは、「一番やってはいけない練習方法」を紹介したいと思います。もしこの練習方法を皆さんがやっていたとしても気に病んだり、僕に対して怒ったりする必要はありません。テニスの練習において回り道はつきものなのです。
一番やってはいけない練習方法、それは「壁の遠くに立って、跳ね返ったボールを2バウンドさせてから強打する」です。
しかもこの練習方法、取り入れている方が非常に多いです。なんせ毎日見かけますから。
なぜこの練習方法が一番やってはいけないかというと、理由は主に三つあります。
一つ目は、フットワークがおろそかになることです。2バウンドをOKにしてしまうと本当に足を動かさなくなります。テニスにおいてフットワークがおろそかになるのは致命的です。いくら強打の練習をしたとしても打ちやすい場所に行けなければそれが活かされることはありません。
二つ目は、速いボールにタイミングが合わなくなることです。壁は自分の打球スピードを半分以下にして返してくれます。それをさらに2バウンドさせるってことは「めちゃくちゃゆっくりの手出し」と同じぐらいのスピードになってしまいます。これで練習をたくさんすると速いボールにタイミングが合わなくなるのは想像に難くないでしょう。
三つ目は、打点が低くなることです。これは上記二つの理由と一部重なりますが、壁が返したボールはそもそもバウンドが低いです。だから自分の初期位置まで1バウンドで飛んでこなくて、2バウンドするのだと思うのですが、2バウンドさせるとかなり低い打点になってしまいます。そんな低い打点でとるようなボールはベースライン上やベースライン後方でのラリー中にはあまりきません(下がって意図的に打点を落とした場合を除く)し、仮に低くて短いボールを厚い当たりで強打したならそれは間違いなくアウトになるでしょう。
以上の理由から、「壁の遠くに立って2バウンドさせてから強打する」練習方法はやればやるほど下手になる可能性があります。
単純に強打するのを楽しみたいのでしたら良いのですけれども、テニスが上手くなりたいのでしたら止めた方が良いと思います。
【壁の特徴を知る】
では壁を使って効率よく上達するにはどうしたら良いのかという話なのですけれども、そのためにはまず「壁の特徴」を知る必要があります。主に三つあります。
まず一つ目に、絶対にミスをしないということです。これは壁の最大の魅力なのではないでしょうか。もし壁に勝とうと思ったら、「光る球」でも撃って壁を破壊するしかないでしょう。壁打ちもできなくなりますが・・・
二つ目に、「こちらがミスしても怒らない」ことです。これも壁の魅力ですね。壁はこちらがどんなしょうもないミスをしようと何も言いません。壁に気を遣う必要はないし、壁がこちらに対して気を遣うこともありません。
三つ目に、「こちらの打球の威力を半分以下にして返してくれる」です。そのおかげでこちらが打ち負けることはまず無いのですが、緩く低く返してくるが故のデメリットも先に述べたように発生します。
このような「壁の特徴」を押さえた上で最適なメニューとなるのは何なのでしょうか。
【最適な練習メニューとは?】
さて、いよいよ最適な練習メニューを紹介するのですが、ここまで述べてきた内容から答えは一つに導き出せるはずです。
それは「ライジング」です。壁打ちでライジング練習が最適な理由を以下に記載いたします。
まず一つ目に、「フットワークが良くなる」ことです。ライジングで打つためにはボールの落下地点の近くに自分の身体を素早く持っていく必要があるので、足を動かさざるを得ません。やってみるとわかりますが、ライジング縛りで壁打ちをすると、前後左右に激しく足を動かすことになりますよ。
二つ目に、「早いタイミングで打つ癖がつく」ことです。ライジングで打つから当たり前なのですけど、適切な打点でボールを捉えるためにはタイミングを調整することが必須です。ライジング練習をやりこむことで、タイミングを早くする癖がつき、コートでラリーした時に速いボールや深いボールに対応しやすくなるでしょう。
三つ目に、「打点が低いことが問題にならない」ことです。壁打ちではどうしても打点が低くなってしまうのがデメリットのひとつでしたが、ライジングで打つという設定なら低い打点で打つことは問題になりません。
四つ目に、「ミスを気にしなくて良い」ことです。ライジングは難しいショットなので、ミスが出やすいです。ラリーでライジングを練習をやりまくってミスを連打したら、自分がお金を相手に払って練習しているのではない限り相手は不快な思いをするでしょう。一方で、壁が相手ならミスし放題なのです。
【さいごに】
以上をまとめると、壁打ちで「ライジング」を練習することにより、壁打ちのデメリットである「タイミングの遅さ」や「打点の低さ」、「タイミングの遅さ」や「フットワークをさぼりがち」をある程度解決することができ、壁打ちのメリットである「壁がミスをしない」ことや「こちらがミスしてもよい」ことを存分に活かせるでしょう。
同じ考え方で、「ハーフボレー」の練習も良い思います。やってることはほとんど同じです。グリップが違うのと、両手バックストロークで片手バックボレーの人はバックのハーフボレーの時に片手で打つぐらいですね。ラリーの中で狙ってハーフボレーをするのは不自然なので、壁打ちで練習する価値があるでしょう。
ただ、ライジング(ハーフボレー)の練習は左右にボールが散りやすいので、お互いの技術レベルによりますが、隣で人がプレーしている場合は控えた方が良いかもしれません。
最後にどうしようもない欠点を言ってしまったような気がしますが、皆が壁打ちでライジング練習をするようになればお互い様なので問題は解決する・・・か!?
近隣の壁打ち施設でこれから皆さんがどんな練習をするのか楽しみに見てみたいと思います。
                                                      
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