テニスコートにおけるマナーについて

【はじめに】
洋食を食べる時は、食べる時に守らなくてはならないマナーがあり、和食を食べる時にも作法があります。それと同じように、スポーツには、多くの方の間で共有されているマナーがあります。テニスにも、このスポーツ特有のマナーがあり、それは部活で習ったり、サークルの中で教えてもらったり、スクールで教えてもらったり、隣のコートのおっちゃんに教えてもらったりなど様々だと思います。
僕みたいな者がマナーを語るなんておこがましいし、誰かがマナーを守れていないことに対して危機意識をもっているとか、腹が立っているとか、そういうことではありません。僕ももちろんミスはあるし、状況によってできない時もあります。言うなれば、自分がテニスコートにおけるマナーを再確認するために書いているようなものです。
①他コートがインプレー中の時に、自分のボールが入ってしまったら
1面ずつコートが区切られていれば良いのですが、多くのテニスコートは横並びにコートが配置されていて、特にフェンスなどの区切りがないことが多いです。そのため、自分達が打っているボールが他のコートに入ってしまうことがあります。この時、「うわぁ、早くとりにいかなきゃ!」と思ってコートに入りたくなるのですが、他コートがインプレー中に入ってしまうとお互いとても危ないので、プレーが途切れるまで待ちましょう。特にゲームのインプレー中は絶対入らないようにしてくださいね。

図1

図1で示すように、コートの内部に入っていなくても、コートの前後左右のスペースは他コートとみなして、プレーが途切れてからボールを取りにいきましょう。そして、コートに入る時は「失礼します」と一言声掛けして素早くボールをゲットすると良いでしょう。
②インプレー中に他のコートからボールが入ってきたら
先程とは逆に、自コートがインプレー中に他コートからボールが入ってきた場合はどうしたら良いのでしょうか?これはマナーであって半分ルールでもあるのですが、この場合は速やかにプレーを止めて、ボールを渡してあげるのが良いと思います。ボールその他の物や人、動物などなんでもいいのですが、何らかの障害物が自コートに入ってきた場合は、プレーヤーの判断でプレーを止めて、ポイントレット(ファーストサーブからそのポイントをやり直す)できるというルールがありますので、そのルールを上手く活用すれば良いのではないでしょうか。コート上にボールが転がっている状態でプレーすると危ないですからね。
③少し離れた人にボールを渡す時
近くにいる人にボールを渡す時は手渡しで相手のラケット面や手に渡す(コロナ禍ではこの考えは変わるかもしれません)のですが、ボールを渡したい人が遠くにいる場合はどうしたら良いのでしょうか?もしゲーム中に少し離れた相手にボールを渡す時、もしくは他コートにいるプレーヤーにボールを渡す時は、「ボールいきます」と言って、投げるもしくはラケットで柔らかく打って渡すと良いと思います。ワンバウンドさせてちょうど胸の高さあたりでキャッチできるように渡せるとベストです。大学の部活や高校の厳しい部活において、先輩にボールを渡す時、「ボールいきます」+「ワンバウンドでキャッチできるところに投げる」は絶対です。テニスコーチがお客様にボールを渡す時もそうした方がいいでしょうね。サークルやテニスオフなどではそこまで厳密じゃなくて良いです。
④コート間の移動
コートの入口から自分が予約しているコートに移動する時、またプレーが終わってコートから出る時は、他のコートを通って移動する場合があると思います。その際には、まず、プレーが途切れてからコートに入りましょう。

図2

そして、コートに入る時に「失礼します」と声をかけると良いと思います。通る場所はできるだけコート後方の端が良いですね。もう一つ大事なことは、「走って移動する」ことです。私達が移動する間、他コートの方はプレーを中断して待ってくれてますからね。

図3

⑤意図しない返球、危険な返球があった時
プレーをしていると、自分の打ったボールがコードボールとなったり、フレームショットが絶妙な所に落ちて得点することがあります。また、自分の打球が意図せず相手のボディや顔付近に飛んでしまったり、打つ場所がなくて仕方なくボディを狙ってしまい、相手に怖い思いをさせてしまうことがあると思います。
そういう時は「すみません」と言いましょう。プロの選手は手を上げたりラケットを上げたりして謝罪の意思を表していますよね。たまに謝らない人もいますが・・・
ちなみに、サークルやテニスオフで練習したり、ゲームしたりする時などはなるべくボディ狙いはしない方が無難です。特に男性が女性に対してボディ狙いするのは良くないと思います。これは男性女性関係ないですが、ボールが顔面に直撃してしまうと大事故になりかねないので、気をつけたいところです。もしプレー中に至近距離から相手のスマッシュやハイボレー、ストロークの打ち込みが飛んできそうな時は、ラケットで顔を隠したり、相手に背中を向けて顔に当たらないようにしたり、コート外へ逃げたりするなど、自分で自分の身を守るのも大事ですね。
⑥コート上で着替え?
これは男性に限った話なのですが、コート上でエンドチェンジをするとき、プロの選手は大体ベンチに座りますよね?特にセット間の休憩は時間が長いので、水分補給やエネルギー補給をしつつ、リフレッシュを兼ねてコート上で着替える選手がいます。これを真似してなのか、更衣室に行くのが面倒なのかわからないですが、コート上で着替えてしまう男性がいます。これは絶対にやめましょう。コート上で着替えるのは、テニスがすごく上手くて、有名で、身体が鍛え上げられているプロの選手だから許されるのです。一般男性がコート上で着替えるのはただのセクハラでしかありません。ジュニアの男子もダメです。
【おわりに】
何故多くの方の間で一定のマナーが共有されているかというと、まず第一に怪我を防いでお互い安全にプレーするためであり、ひいてはお互い快適かつ円滑にプレーするためでもあります。そして当然、マナーが多くの方の間で共有されている以上は、それを守れていないと、常識がないと思われたり、人間性を疑われたりする可能性があります。もちろん僕だってミスはあるし、お客様にマナーを守って頂けているかというと、指導が行きわたっていない場合があります。でも結局そのマナー違反がお客様自身の評価に影響を与えることになるし、コーチである僕の評価にもマイナスになるわけです。それって損なことなのですよね。というわけで、今回は自戒を込めてこのような記事を書いてみました。
            
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