テニスの試合で実力を発揮するためには!?その2

【はじめに】
試合で自分の実力を発揮したいけど中々難しいというのはほとんどのテニスプレーヤーが抱える悩みだと思います。あの時もう少し自分らしいプレーが出来ていたら勝ててたのに・・・という経験をしたことのある方は少なくないはず。では自分の実力を発揮するためにどうしたら良いのかを前回の記事から考えています。
今回の記事の内容は皆さんにとって腹立たしいものであるかも知れません。でも例えそうであったとしても忍耐強く読み進めて頂きたいです。そうすればなにがしかの結論にたどり着けるはずです。
【理想と現実】
あなたの周りに「練習ではミスしないのに本番では硬くなってミスしてしまうし、強気で打っていけない。自分はメンタルが弱いからなぁ~。」と言っている人はいませんか?
そしてその時あなたはこう思うでしょう。「いやいやあなたは普段からミス多いよ。それだけミス多かったら本番で打っていけるはずないし、入るはずがない。」と。
ここで、皆さんが怒ることを承知で言いますが、あなた自身も「練習ではミスしないのに・・・」と思いこんでいるのではないですか?
そう問いかけると、「いやいや自分だけは違う!私は本当に皆よりメンタルが弱いんだ!」と強く主張するでしょう。
私は今まで累計1500人以上の生徒さんを指導してきました。その経験から申し上げると、「そうやって言い訳をする人は間違いなく普段から多くミスをしている、もしくはミスが出るような打ち方をしている。」と断言できます。
恥ずかしながら私自身も学生時代は言い訳ばっかりでした。「なんで自分だけこんなにメンタルが弱いんだ・・・」などと嘆いていましたね。でも今なら過去の自分にビシッと言ってやれますよ。「お前は普段からミスってるだろ!」と。
そもそも、ある状況においてあるショットが何%の確率で入っているかなんて数えたことなどありますか。球出し練習、ラリー練習、ゲーム形式練習、練習試合、本番の試合など、全ての練習や試合で一定期間統計を取り続けることなんてトッププロでも相当困難ですよ。
私達が自信を持っていること、「これが自分だと思っている」ことの根拠は、実のところかなり薄っぺらいものなのではないでしょうか。
だって私たちは何気なく撮られた自分の写真を見た時、自分があらかじめ何かに吹き込んだ声を聞いた時、自分がプレーしている動画を見た時、「こんなはずじゃない!」とショックを受けるでしょ?
私達は無意識に自分を脚色して理想の自分を創り上げているのです。それが自分の精神の安定を保つために必要であるから決して悪いことではないのですけれども、そういう事実があることは意識しておくべきでしょう。普段の練習で何気なくミスしている場面を、私達は忘れたり無かったことにしたりしているわけです。
私達の理想と現実にはギャップが確かに存在しています。そのギャップを認識して現実の自分を直視し、それによって傷つくかもしれないけど受け入れて前に進んでいくことが大切なのではないでしょうか。
【現実をデータという形で知る】
現実の自分を認識する良い方法の一つとして「試合をしている動画を撮る」というものがありますが、それができる環境ならその動画を題材にして細かく分析していくのがベストでしょう。とは言えいつも動画を撮ることができるわけではありませんし、見返して分析するのも骨が折れる作業でしょう。
そういうわけでもっと簡単かつそれでいて効果的な方法を今から提案します。
まず大会にエントリーします。レベルは優勝争いができないぐらいのものを選べばよいでしょう。その試合中において「このショット入るかな?」とか、「入らなかったらどうしよう。」と頭によぎったショット、そのショットを打つ時の状況がわかっているとなお良いのですが、とにかくそれらを「とあるマンガの主人公」のようにエンドチェンジ時にノートに書き記す、または試合後すぐノートに書き記します。対戦相手の名前や強さ、スコアなどの情報もできるだけ細かく書いておきたいですね。
もしそれほど頻繁に試合に出ないけどデータが早く欲しいという場合、信頼度はやや低くなりますが練習試合でもデータを取ると良いでしょう。
1セットマッチ10試合分ぐらいデータをとったら大体の傾向はわかるはずです。そのデータで良く出てくるショットは試合で入っていないショットだし、しかもゲームの中で数多く打つショットでもあると考えられます。では、良くノートに書いてあるショットを5つ選びましょう。例えば私はこんな感じで選びました。
★フォアハンド低い打点の打ち込み(ストレート)
★フォアハンド低い打点の打ち込み(クロス)
★セカンドサーブ
★サーブの後の3球目
★決めボレー
今度はその5つを普段の練習あるいは練習試合でどれだけミスしたのか数えていきます。実際にデータを取ってみると、こんなにミスしているんだと驚くと思います。でもこれが現実なのです。
現状、これら5つのショットはあなたにとってリスキーなショットであり、少しでもプレッシャーがかかるといつミスが出てもおかしくないと認識するべきです。なので実際の試合の時には強度を落として打つ、もしくはミスが出てもしょうがないと割り切るしかありません。
でも、あぶりだされた5つのリスキーなショットに対して何らかの心構えが事前に出来ているというのは試合の戦略を立てる上でおおいに役立つことでしょう。次の試合までに5つのショットをできるだけたくさん練習して自信をつけることはとても良いことですし、その練習が試合での結果やデータにどんな影響を与えるのか楽しみになってくるのではないでしょうか。
試合でのデータ収集とデータに基づいた練習内容の見直し、そしてまた試合でのデータ収集。そのサイクルを繰り返していくうちにデータの質や練習の質がどんどん上がっていき、自ずと試合でのパフォーマンスが上がるだろうし、練習と試合のギャップも少なくなっていくことは確かであると考えます。
【おわりに】
試合で自分の実力を発揮するためには、まず現実の自分を正確に知ることが必要です。そのために試合でのデータや練習でのデータが役立ちます。次に、データに基づいて自分の練習をアレンジし、試合に自信を持って臨みやすい状態をつくっていきます。そしてまた試合に臨み、また新たなデータを取ります。それらの繰り返しによってそもそもの自力と試合で実力を発揮するメンタルが養われていくでしょう。
                                                      
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