「テニスオフ」や「テニスベア」は上達に役立つ!? 2025/5/31 2025/6/2 雑談 【テニス系SNSの流行】 皆さんは「テニスオフ」や「テニスベア」をご存じでしょうか。ここ数年で、「テニスオフ」や「テニスベア」などの「テニス系SNS」がどんどん流行ってきました。皆さんも利用したことのある方がいらっしゃるのではないでしょうか。 私は「テニスベア」を利用してよくリサーチしているのですが、本当に色んな人が色んなイベントを開催していて、面白いなぁと思って見ています。特にイベント主催者のコメントには、ある程度その人の性格や考えていることが表れるので、とても興味深いですね。 「テニスベア」で開催されているイベントをある程度調べていく中で、いくつかの代表的なニーズを見つけることができましたので、次項で紹介いたします。 それらを踏まえた上で今回は、「テニスオフ」や「テニスベア」がテニスの上達に役立つのかを考えていきたいと思います。 ちなみに、私が今から話題にするのは、テニススクールなどのテニスを職業としている「プロ」が開催するイベントではなくて、テニスを生業としていない「素人」が開催するイベントについてです。 【テニス系SNSのニーズ】 《安いお金でプレイできる》 テニススクールに通うよりは基本的に安くプレイできると思います。主催者としても、自分で参加費の設定ができるので友達同士でプレイするよりもさらに安く済ませられるでしょう。 《同じぐらいのレベルの人とプレイできる》 レベル設定範囲が狭いところを探せば同じぐらいのレベルの人とプレイするのは可能です。 《自分より強い人とプレイできる》 レベル設定が広い所に行けば自分より強い人と気軽にプレイができます。やられてもへこたれない気持ちの強さは必要になってきますが。 《自分が行きたい時に行ける》 友達と予定を合わせたり、スクールのように基本的に毎週同じ時間に行ったりすることが求められなくて気楽です。 《教えてもらえる・教えたい》 参加者の中には上手な人や元コーチの人がいて、技術的なアドバイスをもらえることがあります。「アドバイスをしますよ」というのをウリにしているイベントもありますね。基本的にはイベント内で、求められていない他者へのアドバイスはあまり好まれない傾向があるのですが、自分が主催者になれば思う存分他者へアドバイスすることができます。 《男女の出会いの場》 イベントが男女の出会いの場として活用されているという面もあると思います。一緒にテニスをすると、振る舞い方でその人の性格やモラルがある程度知れるでしょう。 【過負荷をかけることの意味】 私はプロのテニスコーチなので、テニスコーチの視点から「テニス系SNS」は上達に役立つのかを考えたいと思います。 先に結論から申し上げますと、「テニス系SNS」は「自分より強い人と打ち合って過負荷をかける」という意味においては、上達に役立つと考えています。 「自分より強い人と打ち合って過負荷をかける」という作業はテニスの上達にとって非常に重要で、自分が対応できないボールを打ってきたり、決まったと思ったボールが返ってきたりするのは、肉体的にも精神的にも大変良い刺激となり、成長のトリガーとなりえます。 「過負荷をかける」ことが重要だから、上手なジュニアは強豪校や強豪クラブへ進むし、それでも足りなくなったら海外へ出ていくわけです。 ひいてはトッププロになると、自分より強い相手はごくわずかとなりますので、練習で日常的に過負荷をかけるのはなおさら難しくなってきます。 もし、強さの設定を自在にできる「テニスロボ」が実現したら、トッププレーヤーは何億出してもいいからそれを欲しがるでしょうね。 ただ、「過負荷をかける」作業はフォームの崩れやけがの可能性を高めるリスクがあります。また、自分がその場でやっつけられる経験は少なからず精神的ストレスを生むでしょう。そして、それらは負荷が高くなればなるほど増していくはずです。 【教えるのってそんなに単純じゃない】 「アドバイスがもらえる」ということに関しては、ハッキリ言ってデメリットの方が多いと考えます。上手かろうが、過去にコーチの経験があろうが、テニスコーチを生業としている私たちからしてみれば、それらの人は指導に関して言えば素人同然であると断言できます。 そりゃたまには誰かにとってはまるアドバイスが出せるかも知れませんが、私たち専業テニスコーチとは打率が全然違います。私たちはその人やその状況に合わせて的確なアドバイスをすることを常に求められていて、お客様に質の高い指導をすることでお金をもらっているのですから。 このことを「お笑い」で例えてみましょう。 私たちも仲間内でたまには爆笑をとれる時があると思うのです。でも、状況や相手を色々設定される中で笑いを取り続けろ、場の笑いをサポートし続けろと言われても無理でしょ? もし仲間内で面白いと言われている人がテレビのインタビューで「オレはプロの芸人よりも面白いんだ。」なんて言ってたら、「ちょっと何勘違いしてんの。」って思うでしょ。それと一緒ですよ。 【上手くなるためには専門のコーチが必要】 結局、自分の課題を克服したり、自分の長所をもっと伸ばしたりするのって、スクールのレッスンやプライベートレッスンなどで専門のコーチに習うのが一番の近道ですよ。だから、あんなに上手くて強いトッププロもコーチを雇っているのです。 素人が開催しているイベントに参加したぐらいでドンドン上手くなるっていうのはあまり考えにくいのではないかなと思います。 もし本当に上手くなる人がいたとしたら、それはごく経験が浅い時期であるか、課題克服やさらなる上達にとって必要な身体操作スキルや筋力・柔軟性を、すでに他競技で獲得しているのでしょう。そういう僅かな事例を一般化したり、再現性が高いと言ったりするのは無理があると思います。 【まとめ】 「テニス系SNS」の活用は自分の肉体や精神に「過負荷」をかける意味では非常に有益であると言えますが、それは同時にフォームの崩れや怪我のリスク、精神的なストレスが伴います。 また、課題克服や長所をさらに磨いていくことにおいてはほとんど役に立ちませんので、専門のコーチの指導を受けるのが良いでしょう。 何事においてもですが、万能なものなどなく、メリットがあればデメリットもかならずあるので、冷静に考えて上手く活用していくのが賢いやり方なのだと私は考えています。 【こちらの記事もどうぞ♡】 テニスレッスンについてはこちら テニスレッスン予定表はこちら ガット張り替えについてはこちら 最新ブログ記事はこちら オーダーメイドインソールが気になる方はこちら