ラスロ・ジェレ

【プロフィール】
名前:ラスロ・ジェレ
誕生日:1995年6月2日
国籍:セルビア
出身:セルビア・ヴォイヴォディナ自治州、センタ
身長:188cm
体重:82kg
利き手:右
バックハンド:両手
最高ランキング:29位
【生い立ち】
ラスロは父キャバさん、母ハジャナルカさんとの間に産まれました。ジュディさんという妹がいます。
ラスロがテニスを始めたのは5歳のときで、父がテニスのレッスンを受けに行くのに付いていったことがきっかけです。
15歳ごろになると積極的にジュニアの国際大会を転戦し、徐々に頭角を現してきました。
【ジュニア時代の成績】
オレンジボウル選手権 シングルス 優勝
全豪オープンジュニア シングルス 出場
全仏オープンジュニア シングルス ベスト16
ウィンブルドンジュニア シングルス ベスト8
【グランドスラムの成績】
全豪オープン シングルス 出場
全仏オープン シングルス ベスト32
ウィンブルドン シングルス 出場
全米オープン シングルス ベスト64
【テニスに関して】
ラスロはクレーコートでの戦いを最も得意とするストローカ―です。フォアハンドストロークはスピンが効いていて、高い軌道のボールをよく使います。このボールで相手を左右に走らせて崩して、最後は逆クロスで仕留めるのが彼の得意パターン。バックハンドはフラット系で、ダウンザラインを得意としています。また、スライスを使う頻度が高く、ペースを変えたり、前へおびき出したりします。基本的には落ち着いてラリーをするタイプで、ロングラリーを全く嫌がりません。じっくりとラリーを続け、チャンスが来るまで待つ忍耐強さがあります。かと思いきやレシーブから速攻する場合もあるので、相手としてはやりづらいでしょう。
ネットプレーに関しては、それほど頻繁に試みるタイプではないですが、特にボレーが苦手というわけでもないようです。
サーブに関しては、男子のトップ選手としてはごく平均的なスピードで、サーブで積極的にエースを狙っていくスタイルではなく、確率を重視し、ストローク戦を有利に進めようという意図が感じられます。センターへのサーブが強力で、ここからの展開が主な得点源となっています。

【人物に関して】
ラスロは料理を作ることが好きです。テニス選手としては意外な趣味ですね。
彼にとってのアイドルはアンディ・ロディックさん、レイトン・ヒューイットさん、そして母国の英雄であるノバク・ジョコビッチ選手です。
バスケットボールややアメリカンフットボールを観戦するのが好きで、NBAのシカゴ・ブルズや、NFLのシアトル・シーホークスを応援しています。
彼の試合ぶりを見て、ものすごく落ち着いているというか、達観しているかのような佇まいを感じました。なぜなのだろう?と不思議に思っていましたが、ラスロについて書かれたATPの特集記事を読んだ時、その内容に愕然としたとともに、納得がいきました。
15歳、彼がジュニアの大会で徐々にその名を知らしめ始めていたころ、母ハジャナルカさんの結腸にガンが見つかり、それはすでに他組織に転移していたそうです。それから7カ月後、ハジャナルカさんは44歳という若さでこの世を去りました。ラスロは16歳にして母を失ってしまったのです。
それから、家族は父、ラスロ、妹の3人になってしまったわけですが、父のキャバさんは、ラスロが5歳でテニスを始めてからずっと献身的にサポートを続けていました。遠征の準備や会場までの同行、ポジティブな励ましなど・・・それはプロになってからもずっと続いていました。キャバさんはコーチ同様の働きをしているにも関わらず、『コーチ』を名乗ることなく、表には出ずにずっとサポートを続けたのです。
2017年11月、そんな父のキャバさんにガンが見つかります。それは母を死に追いやった同じ『結腸ガン』でした。その時にラスロの脳裏に恐怖が走り、「なぜ、こんなことが僕に降りかかるんだ!? どうしてこんなことが続くんだ!? 親を1人失っただけでは十分じゃないというのか!?」と思ったそうです。その苦しみはずっと彼を締めつけます。
しかし、ラスロは強くならなければならないと決心し、妹の為にも一家の大黒柱である父の代わりをしなければと奮闘します。そしてキャバさんに対してありったけの愛情を表現し、一緒に同じ時間を過ごし、彼のそばにいるようにしました。
ガンを克服するため、化学療法や放射線治療などあらゆる治療を試しましたがすべて上手くいかず、父キャバさんは2018年の12月に55歳でこの世を去りました。
その2カ月後、ラスロはATP500のリオ・オープンで、初めてツアー決勝の舞台に立ち、新鋭フェリックス・オジェ・アリアシムを退けて見事に優勝したのです。
優勝の瞬間、ラスロは顔を覆い、大きく胸を膨らませ、空から試合を見ている両親に対して力強く指を突き出したのです。
【まとめ】
ラスロのラリーの安定感は非常に素晴らしく、それは同郷の先輩であるノバクジョコビッチ選手を彷彿とさせます。なにより、彼の精神的なタフさはものすごいです。このこともジョコビッチ選手と重なりますね。このまま総合力がジワジワ上がっていけば、グランドスラムで大活躍も十分期待できます。
ラスロの壮絶なストーリーを知った人は、彼を応援せずにはいられないでしょう。僕もその中の1人です。彼がこれからどんなテニス人生を歩んでいくのか、どれだけの人に勇気を与えていくのか、とても気になります。
【参考・引用】
ATP公式サイト
ATP公式サイト ラスロ・ジェレ特集ページ
ITF公式サイト
wikipedia(日本語版)
wikipedia(英語版)
                        
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