テニスのレディースダブルスにおいてポピュラーな陣形である平行陣。相手が雁行陣の時にどのようにしてポイントをとっていくかを代表的なパターンを通して考えていきましょう。
そもそも、なぜレディースダブルスでは平行陣を敷くことが有利になるのでしょうか。
コーチがそういうから?
皆やっているから?
上手い人がそうしているから?
答えはシンプルです。
それは、「ほとんどのレディースダブルスプレーヤーは相手がボレーを試みた時のラケット面を崩せるようなスピンとスピードのあるストロークをコンスタントに打てないから」です。
逆に言うと、相手が超上級者でボレー巧者であっても、そのラケット面を崩せるスピンとスピードのあるストロークが打てるほどのパワーがあり、かつそれをコンスタントに打てる技術があれば、雁行陣で勝てます。
でも、ほとんどのレディースダブルスプレーヤーは、大学生以降でテニスを始めたか、高校以前で部活やスクールに入っていたけど、それほどの成績を収めてはいないでしょう。
そうであるならば、試合中に物凄いスピードボールやスピンボールはコンスタント飛んでこないはずですから、技術を磨けばボレーの優位性が保て、平行陣で勝ちやすいということになります。
さて、前置きが長くなりましたが、平行陣を敷いて雁行陣を崩していく方法をたくさん紹介していきます!
図1
図1をご覧ください。Dさんがアプローチショットで前に出た後沈められたので、①のように深く返しました。そして、Aさんはボールを浮かしてしまい、②のように返しました。チャンスが来たのでDさんは③のようにストレートやアングルや相手の足元にアタックして決めにかかります。また、一番左の③のようにアングルにドロップショットでも良いと思います。ただ、浮いているボールをドロップするとこちらのボールもやや浮きやすくなるので、ある程度低めの球を選ぶ方が良いでしょうね。センターを狙うのはOKですが、大体の場合相手はセンターケアをしているので、ストレートやアングルに散らした上で狙うと良いでしょう。
図2
次に図2を見てみましょう。DさんがアプローチしたボールをAさんが①のようにCさんに向かって低めのボールを打ちました。Cさんはそれを②のようにセンターへ低いボールを打ちました。するとBさんはCさん側へ③のように浮いたボールを打ってしまいました。
ここでCさんにチャンス到来!Bさんの足元やアングルを狙いアタックです。アングルへのドロップも良いでしょう。また相手の逆をついてセンターへもう一度アタックも良いです。センターを十分に意識させられているならAさん側にやや角度をつけて打っても決まります。
図3
次に図3です。Dさんがアプローチをクロスを打ち、それをAさんがやや低めにDさんへ返しました。そして、Dさんは①のようにセンターに低く打ちました。Bさんはそれを②のように浮いたボールをCさん方向に返してしまいました。※もしBさんがポーチに出るつもりで前に出てきていたらピンチに陥ります。ここではBさんがポーチに出ない判断をしたとします。
Cさんは浮いたボールが来たので、Bさんの足元やアングルにアタックしていきます。また、前にセンターを打たれていてBさんはサイドをカバーしようとするので、逆をついてセンターも良いでしょう。相手にセンターを十分意識させられているならAさん側に少し角度をつけて打つと決めやすいです。アングルへドロップも効果的です。
図4
それでは図4を見てみましょう。Dさんがアプローチショットをクロスに打ち、それをAさんはDさんの方にやや低めのボールを返しました。そこでDさんは角度をつけて①のようにボールを打ちました。Aさんは追い付いて返球しましたが、②のように浮いたボールをDさんに打ってしまいました。
Dさんはチャンスボールが来たので、センターやBさんの足元、ストレートに決め球を打ちます。また、Aさんは空いているセンターをケアするはずなので、もう一度アングルも良いでしょう。アングルにドロップもありえますが、Aさんがやや前にいることを考えると、少しリスクがあるように思えます。
図5
最後に図5を見てみましょう。Dさんはアプローチショットをクロスに打ち、Aさんはやや低めのボールをDさんに返球しました。それをDさんが①のようにストレートへ低く打ちました。このショットはやや難しく、低いボールをネットが高いストレート方向に打っています。そして、Bさんが前に詰めてきている場合はさらに難しくなります。ただ、Bさんがポーチにでるつもりでセンターに出てきている場合は逆にウィナーになることもあります。ここではBさんがポーチに出なかった場合を想定し、Bさんは②のように浮いたボールをDさんに向けて打ってしまいました。
そこでDさんはBさんの足元やセンター・アングルに強打します。Bさんはセンターケアする確率が高いのでもう一度ストレートも良いでしょう。アングルへのドロップもなかなか良いと思います。
いかがでしょうか。代表的な5つのシチュエーションを用いて、攻撃のパターンを考えていきました。基本的な方針は、低めのボールで相手の足元に打ったり走らせたりしてチャンスボールを待ち、チャンスがきたら色々な方向へ散らしたり、逆をついたりして決めていくことです。
このページを読み、形式練習で実践し、また読んで実践を繰り返していくと自然とできるパターンが増えていくと思います。ただ、色々な場所に確率良く打つためには技術的に向上する必要があるので、球出しなどの基礎練習も同時にやっていくと良いと思います。今回はストレート展開については紹介しませんでしたが、また記事ができましたらご覧いただければと思います。
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